労供組合における社保適用の意義を組織活動につなげよう

2015年の労働者派遣法の改正により、26業務の考え方がなくなり、それまで期間制限がなかったソフト開発も原則、3年の期間制限が付くことになりました。供給・派遣を行っているコンピュータ・ユニオン(以下、CU)では、この期間制限が甚だ不都合があるとのことで、この間、労供労組協の協力の下、厚生労働省と協議を重ねてきました。そして、労供労組協としても長年の懸案と訴えてきた労供組合による社保適用の労供事業がついに実現することになりました。

そして、CUでは2018年10月1日よりこれまでの供給・派遣をCUで社保適用した労供事業に切替えました。現在ではこの労供契約で3名が就労しています。

この労供組合による社保適用は、対外的には(見かけ上は)労働者派遣(以下、派遣)と同じになります。派遣と同じということは派遣と対等に競争できる、ということであり、労供の優位性により情報サービス産業における派遣を労供に置き替えることが可能となる、ということです。

さらに、改正では特定労働者派遣がなくなり、許可制の一般労働者派遣に一本化されました。この特定労働者派遣(届け出だけで派遣が可能)は、私たち情報サービス産業において広く利用されてきました。3年の経過措置期間が終わり、2018年の10月1日からは、一般労働者派遣の許可を得ていないと派遣ができなくなりました。

12月の労供事業説明会には、このことにより、勤めていた会社が一般労働者派遣業に切替えることができず(※)、これまでの職場での仕事が継続できなくなって退職したという41歳の人が参加しました。

12月17日に開催された東京労働局の労働者派遣事業適正運営協力員会議では、管轄内において、この1年間で労働者派遣事業所が7,300も減ったことが報告されました。このほとんどが特定労働者派遣です。労働者派遣を止めてしまった企業もあれば、これまでの派遣を請負に切り替えた企業もあります。しかし、そのほとんどは偽装請負ということが考えられます。この偽装請負については、東京労働局による調査・指導を徹底するようお願いしています。

労供組合での社保適用、そして、情報サービス産業のこのような状況を考えると労供事業を大きく拡大できる可能性があります。このことを銘記し、ソフトウェア・セクションの組織活動に生かして労供事業の拡大につなげていく必要があります。

ソフトウェアセクションの支部委員会ではCUの労供事業におけるハローワークでの求人についても検討を開始しました。

(※)一般労働者派遣業の許可を得るには資産が2千万円以上、事業所が20平方メートル以上など幾つかの許可要件を満足する必要があります。

(記:Y)

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2019年1月 No.375 より

裁量労働制について

 裁量労働制と聞いて最初に思い出すのは、働き方改革に盛り込まれる予定だった対象から外れたというニュースではないでしょうか。
 そもそも裁量労働制とはどんな制度なのかというと、要するに労働者自身が労働時間についての裁量を持っているという制度です。何時に出勤して、何時に退勤しても良いのですから、午前中に家事育児をして午後から出勤して仕事をしても良いのです。お子さんを抱えるお母さんや、介護が必要な親と同居している人も、自分で労働時間を調整しながら家庭と仕事を両立できるということですね。そういった背景から、柔軟な働き方ができるという働き方改革の目玉とされていました。

 裁量労働制で働く人は、そうでない人よりも労働時間が短くなるとのデータも示されていましたが、その後裁量労働制で働く人に「通常の1日の労働時間」を聞いたのに対して、一般的な労働者には「1ヶ月で最も多い場合の残業時間」を聞いたなど、データの不備が見つかり見送りになりました。
 裁量労働制では、そもそも残業時間という考え方がありません。そのため、労働時間が増加しても残業代を支払う必要がなく、同じ給与で長時間の労働をさせることにつながるのではないかと懸念されていました。

 ひとつ注意が必要なのは、裁量労働制でも深夜の割増賃金と休日の割増賃金は支払う必要がある点です。
 また、誰でも裁量労働制の対象になるわけではないということにも注意が必要で、大きく分類して2種類に分かれます。一つは企画業務型裁量労働制、もう一つは専門業務型裁量労働制と呼ばれます。企画業務型は、事業の運営に関わる企画・立案・調査分析などの業務をする場合に適用できます。専門業務型は、その名の通り専門的な業務をする場合に適用できます。私達に関連する項目として、情報処理システムの分析・設計という業務はこの中に含まれています。少し前に、NHKの女性記者の過労死が話題になりましたが、記事の取材・編集という業務もこの専門業務型に含まれます。

 厚生労働省の調査(平成29年)では、専門業務型を導入する企業の割合は2.5%、企画業務型裁量労働制については1.0%となっており、あまり浸透していないという状況です。ですが、情報通信業に限って見れば、専門業務型を導入する企業は26.6%、企画業務型裁量労働制については3.5%となっており、他の産業と比べて、突出した数字になっています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/17/dl/gaiyou01.pdf

 この数字は、導入している企業の割合であって該当する労働者の割合ではないので注意が必要ではありますが、専門業務型の対象なのは「情報処理システムの分析・設計」です。実装・テストなどは含まれません。
 また、出勤・退勤時間を自分で決められる裁量がある必要があります。しかし、経験上、ほとんどの現場はそうではありません。
 果たして導入している企業のうち、どの程度がこの制度を正しく利用しているのかは疑問が残ります。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年11月 No.373 より

FinTechとは何か

近頃、新聞や雑誌、Webなどでよく見かける「FinTech」とは何か、ご存知でしょうか?

「FinTech」とは、Finance(金融)とTechnology(情報技術)からなる造語です。IT技術を利用した金融商品や金融サービスの中でも、革命的なあるいは破壊的な潮流のことを指します。

「FinTech」により期待されることは、一部の人だけに利用されていた金融サービスが、ITを利用することにより、低価格化が進み、普通の人でも利用できるようになることです。(金融の民主化と言います)

あるいは、あれば便利と思われるニッチなサービスがどんどん誕生し、より便利なお金の使い方や向き合い方ができるようになることです。

既に日本でも利用できるサービスがありますので、いくつかご紹介いたします。

アカウントアグリケーション

マネーフォワードやMoneytreeに代表されるオンライン家計簿サービスです。複数の銀行口座や証券口座、クレジットカード口座を登録することで、1つのサイトでお金の流れを管理できるものです。

ロボアドバイザー

Wealth NaviやTHEOに代表されるAIを利用した資産運用サービスです。かつては裕福層向けの資産運用を低コスト、かつ少額から可能にするサービスです。

クレジットカード決済

クレジットカード決済には、従来は据え置き型の専用の端末が必要でした。端末の使用料やクレジット決済手数料が高く、個人商店などでは、クレジットカード決済の導入に二の足を踏んでいました。

そのため、楽天ペイやSquareに代表されるような、格安の小型端末をスマートフォンに接続し、安価な手数料でクレジットカード決済できる仕組みが広がりつつあります。

クラウドファインディングや少額投資などいろいろありますが、各種のWebメディアでも見ていただいて、「FinTech」の可能性を感じていただけたら幸いです。

(参考) Fintech Media https://fintech-media.com/

また、気に入ったサービスがあれば、 使ってみてはいかがでしょうか。

(なお、この記事は特定の金融商品・金融サービスを推奨し、勧誘するものではありません)

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年7月 No.369 より

上野公園&串揚げツアー

梅雨も中休みの曇り空の土曜日6月16日、文化部主催の上野公園&串揚げツアーが行われました。

上野動物園ではお昼から各自で自由参加、思い思いに園内を回っていましたが…

今の話題はなんといっても1歳を迎えたパンダのシャンシャン! ところが、長蛇の列で、見るには150分待ち! ということで、ほとんどの方がパンダは見てなかったそうですが、それぞれに色んな動物を見て土曜の午後を楽しみました。

他の参加者からはこんな感想が寄せられました。


上野動物園といえばパンダが代名詞ですがもちろん他の動物もいます。ペンギンもいればキリンもゾウもいますよ。 しかし今回上野動物園に行って一番興味を惹かれたのはコウモリです。

セバタンビヘラコウモリ。ぶら下がっているときは体長5cmくらいで羽を広げると20cmくらいでしょうか、コウモリと聞いて我々が想像するコウモリに近いサイズじゃないかと思いますが、もうひっきりなしに飛んではぶら下がり、飛んではぶら下がりして面白いです。

飛んでいる軌道から木の枝に足を引っ掛けて急にぶら下がるので、どこにぶら下がるのか読めません。

小獣館や夜の森という建屋があって、夜の時間帯に照明で明るくし、昼の時間帯に暗くすることで夜行性の動物を見られるようにされていました。

ミナミコアリクイもいて、ぜひ威嚇のポーズをしてほしかったのですが、誰もちょっかいを出さないせいかノビノビとしていました。

他の動物の話ばかりしていますが、これはパンダの行列が 150分待ちだと聞いて挫けたわけでは無いのです。


そして夕方は交流会場:「串揚げ じゅらく 上野店」に総勢11名で集まり串揚げと共に日頃会えない仲間との貴重なひとときを楽しんで盛り上がってきました。

主催してくださった文化部の皆さん、お集まりいただいた皆さん、おつかれ様でした&ありがとうございました。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年7月 No.369 より

栃木県那須塩原に行ってきました

5月中旬、栃木県那須に行ってきました。

目的はお墓まいりなのですが、妙雲寺では、いろんな色の牡丹が咲いていました。

牡丹と少し時期がずれて芍薬も咲くようです。

春先は、八幡のツツジに、ゴヨウツツジ、と色々な花が楽しめて、塩原から那須辺りはハイキングに丁度よいころです。後は、宿でゆっくり温泉に入って、目と身体を癒すことができました。

翌日、藤城清治さんの美術館に行ってきました。

昔、ケロヨンの人形劇、コビトさんの出てくる影絵を覚えていませんか?

その作者です。

時間があっという間に過ぎる位楽しめる美術館でした。懐かしさとともに作品の素晴らしさに是非おススメしたいです。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年6月 No.368 より

ウラジオストクに行ってきました

GWに4拍5日でウラジオストクに行ってきました。

成田から2時間半で行ける「一番近いヨーロッパ」。美しい街並みの港町で、労働者の祭典メーデーを見てきました。

ロシアのメーデーは春の訪れを祝う「春と労働の日」。町中が花や風船で飾り付けられ、屋台が美味しそうな香りを振りまき、広場や街角で演奏会が行わる祝日です。朝から延々続くパレードは個性豊かな衣装やダンマクで華やか。5車線のメインストリートいっぱいに広がって行進できるなんてうらやましい…。

実はロシアを訪れるのは初めてなのに観光地ではないから情報が少なすぎ。航空券とホテル、ビザとWi-Fを用意しただけのノープランで出発しました。

結果、知らないことにたくさん気づくことができて楽しい旅でした。書ききれないので箇条書きで。

  • フルーツジュースが種類豊富でめちゃくちゃ美味しい。
  • メイド喫茶風レストランはハイソな大人に大人気。もふもふキュートなグッズ増殖中。
  • メニューの飲物はS, M, Lでなくミリリットルできっちり表記。
  • 8時過ぎまで日が暮れず深夜でも大勢が出歩いてる。
  • 横断歩道でなくても歩行者がいたら車が必ず止まる(慣れてないから気まずい…)
  • 話しかけづらい(実はシャイなだけ。めっちゃ親切)
  • 中央アジアの大平原に憧れている(らしい)。
  • 基本、傘はささない。英語は通じない。
  • マックやスタバといった西側っぽい店はまったくない。
  • 「フレッシュ25」という24時間スーパーのお惣菜は絶品。
  • 市場で新鮮な魚を買って備付けのレンジでチンしてベンチで食べるの美味しい。
  • ゲーセンはないけど映画館にレトロなコインゲーム機があって親子の攻防戦が繰り広げられる。
  • 輸入マンガ専門店に日本のものは置いてない。同人誌含めすべてにR表記があり最低でもR12。大人の知的嗜好品でSFが人気(日本のマンガはお呼びでない感じ)。
  • ウラジオストク空港から平壌行きは北朝鮮のビジネスマン満載200人超えの大型機。成田行きは70人乗りの揺れるプロペラ機(…やはりここは東側)

まだまだあるけどこの辺でおしまい。ロシア初心者にウラジオストクおすすめです。

ピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年6月 No.368 より

第89回中央メーデー

「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は私たちの好きなことのために」……メーデーの起源とされる1886年のアメリカの統一ストライキでは、これが目標として掲げられたそうです。それから1世紀以上経ちましたが、私たちはまだ残業しています。

今年のメーデーは快晴で、歩いていると暑いくらいでした。代々木公園の会場に入る手前には東京土建一般労働組合の各支部のトラックが並んでいて、それぞれ大きなデコレーションを載せています。

私たち電算労はMIC(マスコミ文化情報労組会議)の加盟組織等とともに代々木公園の中央メーデーの集会と新宿までのパレードに参加し、その後、親睦会をしました。明治通りでは私たちの写真を撮る人も目につきました。

5月1日のメーデーは全国では307カ所で開催されたそうです。都内では、この代々木公園の他、多摩地区(会場立川)、全労協などが主催する日比谷野音が主な会場になります。連合は参加者を集めやすい4月28日に代々木公園で実施していたのですが、いろいろあって政党の代表を呼ぶことができず、会場の真ん中の舞台ではそのいろいろなことの主役の都知事が目立っていたようです。

戦前の日本では二・二六事件で戒厳令が敷かれた後の10年間、メーデーが禁止されました。来年は天皇の即位日とぶつかりますが、平和と民主主義を守ってまた同じところでお会いしましょう。

ピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年6月 No.368 より

太陽光発電のメリット・デメリット

今回のネタは、太陽光発電について。

太陽光発電には、小規模数十kW、中規模 ~数百キロW、大規模(メガソーラー) 数メガW~、超大型(ギガソーラー)とあります。日本にはまだギガソーラーはありません。

原発と比較した場合、福島第一原発は6基で469.6万kW(4.7GW) 24H運転に対して、太陽光は4km四方くらいで400MW 8H~12Hくらいと、全く比較にならないです。

太陽光発電の最大のメリットは、安全性です。壊れても燃えて停電しますが、メルトダウンなんてしません。交換すれば元通りです。

デメリットは、見た目のコストの悪さでしょうか。土地の面積に比する発電量は低いです。日射量の不安定さを解消するための方策(蓄電池システム、水素作って貯蓄、揚水発電に使用するなど)にコストがかかります。原発や火力発電にくらべるとコストが高く見えます。

しかし本当に原発や火力発電のコストは安いのでしょうか。原発は、日本人にとって嫌悪感があります。この嫌悪感を経済性という言い訳で抑え込まれている抑圧感はそうとうなストレスになっていると感じます。

また、福島第一原発で気付かされた、事故による恐怖感・不安感。非正確かもしれない情報(絶対に事故は発生しない、や、絶対に地震は起きない)による不信感。

これらに加えて様々な感情論が加わって、反対の声をあげているエネルギーに、目に見えない多大なコストを払っている気がします。

いきなり原発ゼロなどは難しいと思います。しかし、低リスクで新たな産業を生み出す可能性のあるエネルギーに切り替えて、大多数の人が納得し、身の丈にあったやり方に変えたほうが、明るい将来につながるのではないかと思います。実はすでに日本はこの分野の後進国になってしまいました。

私事ですが、ささやかながら太陽光発電所の監視システム構築や様々な監視装置の仕事もやっています。

いま業界大盛況のIoTど真ん中の仕事ですが、中小企業でも、技術さえあれば身の丈に合わせて参入できる分野が豊富にあります。IoTは技術的に高度なものが多く、やりがいも将来性もあります。当面、失業の心配はなさそうです。

ピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年4月 No.366 より

派遣プログラマーの貧困について

2月1日付の東洋経済オンラインのネットニュースを見ていたら、『27歳「派遣プログラマー」が貧困に苦しむ事情』という記事が出ていました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180201-00206339-toyo-soci&p=1

専門学校卒業後、2年ほどで退職。現在は派遣社員で手取り月収10万円。札幌在住、3万5千円のシェアハウスに住んで、結婚はしたいが、相手は東京の人で上京は困難。親に仕送り位したいが、その前に借金を返さないと、首が回らない。世渡りは上手ではないが、派遣社員として誠実に働き、契約先もブラック企業ではないとのこと。「コーディング道場」という子供向けボランティア活動もされるような社会性のある若者が、なぜこんな苦しい生活を強いられるのか。鬱になるまで追い詰められて親にもそのことを打ち明けられないなんてひどすぎる。

一体何が悪いのだろうかと考えてしまいました。

この方の賃金ですが、あまりにも安すぎます。27歳な ら額面で25万円くらいは欲しい。一時金が年間4か月として年収400万円。これだけあれば、暮らしていけるだろうと思います。それに、彼の心情を理解してくれる同業の仲間はいないのだろうか。

話の出来る仲間がいるだけでも精神的には相当楽なのではないかと思います。

この記事を読んで私が感じたことは、IT業界が、日本経済を牽引する主要産業でありながら、こうした低賃金労働者のうえに成り立っているのかと思うと、なんとも情けない業界だと思いましたし、孤立した労働者が私達の周りにはすくなからずいるのではないかと考えると労働組合の役割が本当に重要だなと思います。もちろん、この問題の根本的解決には業界の重層構造を取り払うことが最優先課題だと思います。

改めて、労供事業の宣伝活動を強める必要性を感じました。

ピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2018年3月 No.365 より