労働者供給事業について

派遣の問題点

派遣の問題点

 「労働者派遣法」は、派遣される労働者の保護が建前になっています。しかし、派遣における根本的な問題は、使用者と雇用者の分離という構造的な問題です。

 近代的な労使関係は、なによりも労使の対等性が前提です。この派遣法のもとでの「雇用」には「対等な労使関係」以前に、「労使関係」すら存在しません。 そして、派遣先の「使用者」には、「対等な労使関係」の保障となる団体交渉に応じる義務が明らかにされていません。このような状況では、今後ますます増加することが予想される派遣労働者の保護につながらないことは明白です。

 しかし、労働者派遣法以降とくに一般(登録型)派遣は事務職を中心に広がり続けています(下表参照)。多くの主要な労働組合が、「派遣労働は職安法違反」、「派遣労働に反対」と言うだけで、増大しつづける派遣労働者の組織化・受け皿作りには必ずしも十分に取り組んでこなかったことがこの派遣業の蔓延、隆盛の結果を招いてきました。

 労働組合の責任が問われています。いまこそ派遣業の対象となっている業種の産業別労働組合が、職安法第45条の「労働者供給事業」を開始すべきではないでしょうか。それが、無制限なピンハネに歯止めをかけ雇用の民主化をはかるため、労働組合に残された唯一の道です。

【派遣事業の現状(平成25年度)】

労働者派遣事業の平成25年度事業報告の集計結果について(厚生労働省発表)
事業所数 労働者数
一般(登録型)派遣 17,936 252万人
特定(常用雇用型)派遣 56,686 27万人
合計 74,622 249万人