去る 4月14日、インボイス制度の中止要請を財務省にて行いました。
財務省に入るのは初めてですし、対面だけではなくノート PC を持ち込んで Zoom を使っての Web 参加も行うということで、事前にリハーサルしているとはいえ緊張します。
電算労からは現地参加 5 名 Web 参加 6 名で、合計 11名の参加がありました。対応していただいたのは財務省税制第2課の佐々木課長補佐です。
まずは免税事業者への影響の認識と影響に対する対策について問い合わせました。
影響の認識としてアンケートを取っており、免税事業者に発注している事業者の 1/2 がこれまでと同様の価格で引き続き発注をし、1/4 が免税事業者に課税事業者になるよう打診し、1/4 が取引価格の調整をするという回答だったそうです。また、それに対する対策として 6,000の事業者、団体に対して同じ価格で引き続き発注することを求めており、もし課税事業者になってほしいという通知を出すときには併せて価格交渉を行うように呼びかけているとの回答でした。
IT 業界は人手不足の影響もあり、フリーランスは現場の戦力として必要とされています。
致し方なく課税事業者に切り替える人も一定数いると想定され、導入後に想定を超える影響があるかもしれません。
それに対しては、財務省としても制度導入後においても動向をよく見ていかないといけないとの回答でした。
しかしながら「見直す」というキーワードが出なかったのは残念です。
関西 IT支部から参加された峯村さんから、これまで免税事業者として生活してきた人の収入が最終的には1割減るという事実には変わりなく、いくら取引相手にこれまでと同様の価格で取引を継続するように伝えても、相手があることなので簡単には行かないこと。さらに個人事業主として1人で事業をやっている人は、会社と比べてどうしても弱い立場になってしまい、仕事そのものが全く無くなってしまう危険とも背中合わせの中で金額交渉をしなければならず、背に腹は変
えられないのが個人事業主という立場ということを改めて訴えてインボイス制度中止の要請を締めくくりました。
要請の時間は 15分の予定でしたが、30 分程の時間で対応していただきました。
時間が短く限られていたので要請書の読み上げは致し方なく割愛したのですが、予定より長く対応してもらえるなら読み上げればよかったなぁと思います。
要請の中で併せて伺ったのですが、財務省に直接要請されるのは、月に1団体くらいの頻度だそうで少し驚きました。他の団体が中止要請をするときに何度か同行したことがあるのですが、確かに地域の税務署に要請していました。税務署の職員もきちんと財務省に伝えるとは言っていましたが、直接財務省に要請に行くほうが効果的かもしれません。
余談ですが、財務省の建物内では通信速度が 68Mbps あり、通信環境は大変良かったです。
■ コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2023年5月 No.427