36協定で労組ができること

2022年2月17日(木)、労働法制中央連絡会が主催する「長時間労働をなくすために~36協定の基本と活用」という学習会に参加しました。講師は伊藤圭一さん。全労連で労働法制局長を務める労働問題の専門家です。

講座は、長時間労働を解消し生活時間と健康を守るために、36(さぶろく)協定を上手く活用することが有効であり、そのために基本から学ぼうという内容です。

【36協定は違法を免罰するもの】

労働基準法はこのように定めています。

第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。…
第35条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。…
第36条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、 … … その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。…

重要なことは、時間外・休日労働は違法なもので、36協定は違法を「免罰」する効果を持つということです。講師の伊藤さんは、本来、時間外勤務は違法だけれど使用者側の罰則を免れさせるために結ぶ、という後ろめたさを持って結んでほしいと話します。また、使用者側は36協定を締結しなければ残業をさせられない一方、労働者側に36協定を締結する義務はありません。

【36協定は交渉カード】

JMITUの泉田さんはコインパーキングの停止板などを作る工場で働いています。昔から36協定を残業30時間まで、休日出勤1日までで毎月結んでいて、春闘や一時金など交渉事のたびに戦術として使っているそうです。

【労働時間は労組がチェック】

泉田さんの会社では、「誰がどんな作業で何時間残業するか」を会社に書面で提出させ、受け取った時点で執行部が集まって、認めるかどうか協議して回答する仕組み。従業員の健康を守るために短い期間で確認することが大切と話します。36協定の範囲内であっても、月を連続して80時間を超えないこともポイントです。

【過労死・過労自死には労働者代表にも責任】

厚労省の指針は、「長時間労働の解消は労使の責務」としています。残業時間が長くなるほど脳・心臓疾患との関連性が高まり、時間外労働は最小限にとどめられるべき。その業務を細かく具体的に定めなくてはならず、「やむを得ない場合」など恒常的に長時間労働を招くおそれがある書き方は認められません。

【コロナ禍の医療現場で特別条項拡大か?】

36協定には「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等がある場合に臨時的に」労働時間規制を免れる特別条項を結ぶことができます。病院の労働組合の佐藤さんは、コロナ禍で多忙を極める医療現場や保健所ではこれを利用していると言います。もともと労基法33条に災害時に規制を外せる条文があるのだから、コロナ対応を理由に特別条項を結ぶべきではない、と主張しています。コロナももはや3年目、労使協定で超過勤務させるより、人員の増加が一番必要ではないでしょうか。

【労組ができること】

泉田さんは残業代が必要という従業員とも「わかるけどやっぱり賃上げが本筋だよね」と対話していると言います。医療現場の佐藤さんは、「すでに過労による健康被害は増えている。さらにハラスメントなど職場環境も悪化。組合はすぐに動ける体制が必要だ」と話していました。

労働組合は組合員の生活と健康に責任があり、労基法と労働運動は両方ともセットで重要です。労働者代表は自覚をもって協定を結び、組合員もきちんと監視する姿勢が大切だと思いました。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2022年3月 No.413 より

スロトレで腰痛改善

IT技術者をはじめとして、デスクワークをしている人は腰痛持ちが多いのではないでしょうか。

私も同様ですし、最近は特にひどかったのでそのあたりの経過と現在の様子をお伝えして腰痛に苦しむ皆さんと情報共有ができたらと思いました。

2020年11月、自宅で掃除機をかけていた時、急に腰が痛くなり、2,3日我慢していましたが耐えられず、近所の整形外科に行きました。問診、赤外線治療の他、コルセットを出してもらいました。日々の運動も大切と思い、トレーニング用パンフももらってきて、毎日実践していました。

しかし、2021年の5月には、その体操のやり方がまずかったせいか、背骨の近くに痛みが走りました。腰に鈍痛もあったので、今度は行きつけの診療所で背中の痛み止めの注射を打ってもらいました。でも、それほど効果はありませんでした。腰の鈍痛向けにもらった2週間分の湿布薬もあっという間に使い切りましたが、腰の鈍痛は収まらないばかりか、洗面所で顔を洗う時には腰がゴキッと鳴って、痛みがひどくなってきました。

どうしたものかと思っていたところ、妻が「一生動ける体づくりスロトレ」という石井直方東大教授の記事(東京新聞折り込み情報紙「暮らすめいと2021年7月号」)を見つけてきてくれたので、早速実践してみました。(スロトレはスロートレーニングの略)
内容は腹筋、スクワット、腕立て伏せなど一般的な体操ですが、1クール5回から10回やればよいので、

れほど苦痛ではありません。腰痛対策では、「両足をそろえてひざを立て、仰向けになり、腕は胸の前で交差する。」その状態で、「息を吐きながら上体をゆっくり起こし、息を吸いながらゆっくりと状態を戻す。」と記しています。これを5回から10回繰り返すのです。やり始めの時期は夏という事もありジットリと汗ばんできました。これは効果があると確信し、毎日継続しています。(最近は汗ばむことはなくなりましたが。)

このところ、洗面台の前で腰をかがめてもゴキッとは鳴らなくなり、痛みもだいぶ和らぎました。もう少し継続したら完全に痛みもとれるだろうと期待しつつトレーニングを継続しています。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2022年2月 No.412 より

本の紹介:岩波新書・労働組合とは何か(木下武男)

まえがきには、
「~今の日本では、~労働組合というと何をしているのかわからない。~」
「~何かの反対運動をしているときと、春闘で大企業の賃上げが報道されるときぐらいだ。~」

あとがきには、
「~現実や運動からかけ離れた研究が旺盛になされている。~」
「~将来をみすえた議論は見られない。~」
「~なお最後に、労働組合論という今時あまり関心がもたれない本書を、あえて出版に踏み切られた~」

等とオモシロそーな言葉が並んでいます。

書名で検索すると岩波書店の紹介ページがあります。そこに内容説明、目次、著者略歴 があります。
キョーミを持たれた方はご参照を。

内容として…

産業革命、工業化、技術の変化にともなう組合の変容、

イギリスの歴史では、

最低賃金、失業保険、年金制度の実施、夏休みでも給食、

アメリカの歴史では、

旧移民、新移民、大量生産、ニューディール政策、スト破り、ピケットライン、警官の警棒、州兵の銃剣、~仕事、~休憩、~残りの八時間は、~すきなことのために、

イタリア、ドイツの歴史にも触れていて、日本の歴史では、

年功序列、定期昇給、政党と組合の関係、スト権スト、民営化、組合の成功例として生コン、拉致、発電送電の分離、電力、産業別組合が発展せず、企業別組合になっている経緯、下層ホワイトカラーは労働者と同じ、

…などが書かれている。

巻末に参考文献がある。(高そうな)マルクス=エンゲルス全集などに混じって、ドイツ在住の元NHN記者の書いた(読みやすそうな)他社の新書なども入っている。日本語訳のない文献もいくつか。(_;
索引の無いのは、ちょっと残念。

”ナショナルセンター”には、途中で説明がある。 ”第二組合”は、説明なしで出てくる。このあたりは新書なら仕方ないかと…。本書を手がかりにお勉強してみよーと思う。そーすれば、いつぞやの講演会で、質疑に対して寝ぼけた応答をしていたあのセンセーに挙手をして、裏づけのある質問をぶつけられる日が来るかもかしれない。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2021年12月 No.410 より

電子帳簿保存法が変わります

注)施行直前の2021年12月に国税局から2年間の猶予が公表されました。

電子帳簿保存法って知ってますか?

雇用労働者として就労している場合、基本的には関係ないので知らない人も多いのではないかと思います。電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存することを認めた法律です。

元来、請求書や領収書などは紙で保存するのが原則です。それをPDFなどの電子データで保存することを認めたのがこの法律で、ペーパーレス社会の促進のため、2022年1月に大幅に緩和されることになったのです。

さて、紙の請求書や領収書ってかさばりますよね。これをPDFで保管して紙の領収書を破棄していいなら、場所も取らなくて便利ですよね。ただ、そうする場合は事前に税務署に申請をする必要がありました。そのため殆どの会社では紙で保存をしています。これが2022年1月からは事前の申請が不要になるので、誰でも導入できるようになりました。

しかしそこに大きな落とし穴があります。

データで受け取った書類は、データで保存しなければならなくなります。例えばアマゾンで買った文房具を経費として扱う時に、印刷して保管していてはダメです。いや、ダメというのは語弊がありますね。紙で保存することはかまいませんが、それはただの参考記録でしかなく、法律を遵守できていないことになります。正しくは、ハードディスクなどに電子データとして保存しなければなりません。

このとき、検索すればいつでも見られる状態にしておかなくてはなりません。国税庁が推奨しているやり方は2つあり、1つはエクセルで一覧表を作って管理する方法です。もう1つはファイル名に日付・取引先、金額をつけて保存するというやり方です。ですから、「メールで受信しているからメーラに保存されています!」というのはダメですし、「アマゾンの購入履歴から見れます!」というのもダメです。どちらも一覧を作っておく必要があります。

ただし、売上高が1千万以下の事業者は検索までは対応する必要はありませんので、大半の個人事業主の方はとにかくデータで保存というルールさえ守れば大丈夫です。

また、電子データが改ざんされていないことを保証する必要があり、次の3パターンから対応を選択する必要があります。

1.タイムスタンプをつける

タイムスタンプって、ファイルについてる時間のことではなく、ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術です。導入には相応のコストがかかります。

2.訂正・削除を記録できるシステムを導入する

これはサブバージョンなどの世代管理ソフトを使えば対応可能そうです。

3.事務処理規定を作る

「改ざんしないという事務処理規定を遵守しているから、改ざんはしていません!」と言うことですが……。まぁ前述の対応は一般的には簡単に導入できないので、救済措置のための手段といえるでしょう。

あぁめんどくさい!電子取引なんてやめやめ!注文書も請求書も紙でやるわ!というペーパレスとは真逆の意見や問い合わせが多数あったようで、11月12日には、「電子データの一部を書面で保存していた場合でも、きちんと記帳して申告してた場合は、直ちに青色取消になったり、経費として認められないことになるわけではない」という旨の見解が出ました。
とはいえ多少不備がある程度は見逃してやるという意味だと思いますので、しっかりと対応を進めていく必要があります。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2021年12月 No.410 より

フリーランスに影響大のインボイス制度

皆さん、インボイス制度をご存知でしょうか?

主に関係するのは事業主です。そのため社会保険が適用されている雇用労働者の方は基本的には意識する必要はありませんので、よく知らない方が多いのではないでしょうか。

インボイス制度とは、正しくは適格請求書等保存方式と言います。
消費税に関わる制度で、取引における消費税の額を正確に把握し、不正やミスを防ぐことを目的にしています。現在の消費税は10%ですが、税率が8%になる軽減税率も混在しているため、取引内容や税率ごとの消費税額、適格請求書発行事業者の登録番号等、インボイスの記載内容を満たした請求書を発行・保存しましょうという制度です。

インボイス制度は2023年10月1日から始まります。それに先駆けて、2021年10月1日から登録申請書の受付が開始され、2023年の3月31日までに登録申請をしておく必要があります。申請すると、税務署から登録番号が通知されるので、請求書に登録番号を記載することで、適格請求書として扱うことができるようになります。

事業主は、受け取った消費税額から、自分が仕払った消費税額を差し引いた金額を税務署に納税します。これを仕入税額控除といいます。

しかし、適格請求書を発行できない事業者からの仕入れは、仕入税額控除を受けられなくなります。
適格請求書発行事業者にならないと、取引先に消費税の納税額分の負担を押し付けてしまうことになります。

図の例では、仲買人が的確請求書発行事業者では無い場合、魚屋が仕入れ税額控除を受けられないため、この仲買人ではなく、別の仲買人から魚を仕入れることにしてしまう恐れがあります。それを避けるために仲買人は適格請求書発行事業者の申請を行います。

ここで問題になってくるのがフリーランスや個人事業主として仕事をしている人です。
年間の売上が1000万円以下の事業者は消費税の納税義務がありません。このような小さな事業者に対しては消費税納税に関わる煩雑な負担を軽減する等の目的で消費税の納税が免除されています。
しかしインボイス制度の導入に伴って、適格請求書発行事業者になるには、消費税の課税事業者にならなければならず、その消費税納税に関わる煩雑な負担を負わなければならない上、これまで免除されていた消費税を納税する必要があります。これはフリーランスで働く人たちにとっては非常に大きな影響です。

また、新しく起業する場合も2年間は、同じように消費税が免除されていましたが、納税しなければ同様に適格請求書発行事業者になれず、起業後のスタートダッシュがこれまでよりも難しくなります。
ベンチャー企業等を起業するハードルが上がるため、新しいサービス等が生まれにくくなり、将来的に産業が先細っていく危険性もあるのではないでしょうか。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2021年10月 No.408 より 

東大教養学部のテキストでPythonのお勉強

東大は国立大学の中で学生数が一番多く、理系は1学年約1,800人です。そこで全員に使わせるテキストは普通に売っても商業的に成り立ちます。そんなテキストの一つ「Pythonによるプログラミング入門 – アルゴリズムと情報科学の基礎を学ぶ」を途中までやってみました。

前提知識の要求は低くて、高校2年程度、文系進学コースでも数学を捨てないパターンならやってるはず、の数学でなんとかなります。必要な公式などは書いてくれているので忘れていてもだいじょうぶ。
すでに何らかのプログラム言語をやっている私たちには、プログラムから逆に何をやりたかったのかわかるものも多いです。例えばΣ記号はずいぶん久しぶりに見ましたけれど、要するに1からnまでループすればいいです。そんなことなら仕事で毎日やってます。

で、最初の足し算・引き算・掛け算・割り算から順に例題と練習問題をやってみたのですが、

先生!練習問題2.4. は式がまちがってます!

理系の学生さんは自分で正解を見つけてなんとかしてください。ITの職場なら元が間違っているようなことは日常茶飯事ですから。

私たちの普段の仕事と違って面白いのは、グラフなどを描くことができるライブラリです。単純なものなら1行で書くことができます。放物運動のシミュレーションとして、放物線アニメーションを表示する例題もあります。必要なもの一式をインストールする手はこちらにまとめました。
https://pages.michinobu.jp/t/installanaconda.html

後半の章には p値、モンテカルロ法、回帰分析、クラスタリングなど、AIや機械学習でも使うことになりそうなものが出ています。プログラムの行数は意外に少ないです。コーディングができだけではその方面の仕事にはならないでしょうから、続きをやってみようと思います。

それから、最近、ハーバード大学の教材も日本語化されています https://cs50.jp/ 。そちらはSQLやHTMLなどを含む実用的なものです。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2021年7月 No.405 より

アンガーマネジメント学習会

― 怒りのコントロール ―

MIC(日本マスコミ文化情報労組会議) 女性連絡会と新聞労連東京地連主催の「アンガーマネジメント学習会」が4月9日18:30からオンラインで開催されました。参加者は70人程でした。学習会は新聞労連東京地連の寺田正委員長の司会で始まりました。講師はアンガーマネジメントファシリテーターの田部知江子弁護士(東京弁護士会所属)でした。ハンセン病問題や原爆症認定等の支援活動もされているとのことでした。

さて、本題です。アンガー(怒り)とは、人間にとって自然な感情の一つで、その役割は身を守るための防衛感情とのこと。でも、怒りは度を超すと問題が生じます。些細なことで激高したり、いつまでも根に持ったり、しょっちゅうイラついたり、他人や自分を傷つけたり、物を壊したりします。

では、怒りのもとは何でしょう。それは、理想と現実のギャップであるとの事。「べき」、「はず」、「普通は」、「当たり前」という思いが、相手に対する怒りにつながるそうです。これには、お互いの違いを理解したうえで集団としての優先順位とルールを決めることが大切と説明されました。

例えば、シェアハウスで暮らす場合のルールづくりですが、その集団の全員が、それぞれ、これだけは守って欲しいという項目を列挙し、各人が全項目に優先順位をつけ、その優先順位を項目ごとに全員分合計する。その合計の小さいもの順に集団としての優先度が高いとみなし、実践するというやり方です。学習会ではグループに分かれ、ワークショップ形式でやってみました。項目としては、役割分担を決める。使ったものは元の位置に戻す、トイレ使用後は、きれいにしておく。冷蔵庫の品物は勝手に使わないなどだ出されました。このルール作りは、すぐに実践できそうなので、同居人がいる方は参考にされてはいかがでしょうか。

続いて怒りが生まれる背景には、つらい、苦しい、疲れた、不安、焦りなどがあり、これらが引き金となって爆発します。

では怒りをどう制御したらよいのでしょうか。まずは衝動を制御する6秒ルールです。心の中で、「冷静に、冷静に、……」を6秒間言い続けるのも一法だそうです。二つ目が思考の制御で、「許せる範囲」、「まあ許せる範囲」、「許せない範囲」を自分なりに決めておくことが大切だそうですが、曖昧になりがちな「まあ許せる範囲」が、その時の気分によって変動するのはよくないとのことでした。(怒りをぶつけられた人が、ぶつけた人を信頼しなくなるため。)3つ目が行動の制御で、怒りの対象が変えられるものなのかどうかで自らの行動を「即行動」、「折を見て行動」、「受容する」、「ほおっておく」という基準を持つべきとのことでした。

最後に、叱ることについて解説がありました。叱るとは叱られる人に対する要望であり、叱る人の気持ちであること。また、叱る技術は練習で上達するそうです。機嫌の良し悪しに左右されない基準を作ること、人格・性格・能力攻撃はNG。事実・結果・行動・行為・ふるまいはOK。人前で叱るのはNG。感情をぶつけるのはNG。叱るときのNGワードは、「以前から言っているけど」、「どうして?・なぜ?」、強い口調で「いつも・絶対・必ず」、「ちゃんと・しっかり・きっちり」。上手な叱り方は、基準が明確なこと。要望が具体的であること。穏当な表現・態度・言葉使いで相手を責めないことだそうです。

すべての人が自分の感情に責任が持てれば怒りの連鎖を断ち切ることができると結論付けていました。

今回の学習会で感じたことですが、上下関係であれ、家族関係であれ、人間関係ではお互いを尊重することが何よりも大切なのではないかという事でした。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2021年5月 No.403 より

定年退職後に同じ会社に派遣

実はコンピュータユニオンにもたまには労働相談があるんですよ。さほど多くは無いんですが、11 月の初旬にも電話での相談がありました。

正社員で働いている方からの相談で、59歳から 60歳になるタイミングで給与が元の 4割にまで下がるという相談でした。もともと役職にはついておらず役職の変化もなく、作業内容も変わらないのに 4割に引き下げられると言うのです。定年後再雇用かなと思いながら話を聞いていましたが、よくよく聞くと、定年後再雇用でもありませんでした。

どうやら大きな会社に勤めているようで、グループ企業の中に派遣会社があるそうです。そして、60歳になるタイミングで元の会社を辞めて派遣会社に転籍をし、元の会社の元の部署に派遣で仕事につくという話でした。派遣においては、離職後 1年以内の人を元の勤務先に派遣をすることが禁止されています。しかし 60歳以上の人はその限りではなく、許されています。また、別の会社への転職なので、新しい会社での給与額が現在の給与額と比較して少なくなっても、過度に引き下げられたと違法性を問うことも難しいと考えられます。実態はともかく、派遣では事前に誰かを特定して受け入れることは禁じられているので、それを問題点として指摘することも可能ですが、その場合は元の仕事を継続すること自体ができなくなる危険性があるので、得策ではありません。

ちょうど 10月末に名古屋の地裁で、「再雇用の基本給が 6割を下回るのは不合理」という判決が出たところだったので、転籍とはいえ形を変えた再雇用ではないかと主張して、この判例を盾にして交渉することはできるかもしれないと伝えて対応を終えました。

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2021年1月 No.399 より

労供の仕事いろいろ

派遣や請負、契約社員など正社員でないいろいろな働き方が増え続け、いまや四割が非正規雇用です。そんな中、労働組合による労供で働く人はどんな仕事をしているのでしょう。私たちも入っている労供労組協に加盟している組合を紹介します。

最初にご紹介するのは全港湾。港湾荷役関連の個人加盟組合で約2万人超。北海道から沖縄まで支部があり、大型貨物車の運転士、作業員など22職種で月平均850人が労供で働いています。なかでも貨物船からコンテナを陸揚げするガントリークレーンの操縦は「労供の息のかかってないヤツはいない」と委員長が豪語するほど。ガチでガテンな男の職場という感じです。

ガントリークレーン 先端の小部屋が操縦席
ガントリークレーン 先端の小部屋が操縦席

ガチと言えば連帯労働組合関西地区生コン支部。日々雇用の労働者の権利を守るために日雇い手帳をめぐりハローワークとも戦っています。ネットではデマ攻撃ばかりされていますが、弱い立場に置かれた人に寄り添った活動をしています。

表紙の猫がかわいい関生の書籍

私たちの事務所があるタブレット根岸の5階に事務所を構える労供労連。タクシー、ダンプカーや観光バス、選挙の宣伝カーの運転手もやってます。派遣では禁止されている交通誘導警備員も。東京都のゴミ収集車の運転と作業員の多くは労供だそうです。

ガテン系でないところでは介護家政職ユニオンの介護士やヘルパーさん。中にはや個人のお宅と何十年も契約しているベテラン家政婦さんもいます。

日本音楽家ユニオンでは結婚式やイベントでの演奏、レコーディングスタジオのミュージシャンなどが労供で働いています。著作権やオンラインでの音楽の対価支払など音楽家の権利の問題で国際組織と連帯して活躍しています。

全国には100を超える労供事業所があり、労供労組協に加盟しているのはその半分。非正規のまま長年継続を繰り返してきた学校給食の調理員や用務員など公務労働の分野や、地方の工場で仕事が減らされている外国人労働者を支援する組合が、これから労供でやっていこうと模索しています。

ふだん町なかで見かける働く人々はもしかしたら労供かもしれません。スーパーで買う輸入食品を船から降ろす人、トラックで運ぶ人、買物中にふと耳にする音楽を演奏する人も、ゴミを集めて片づけてくれる人も、いたるところに労供の仲間がいると思うと、ちょっとうれしくなりませんか? 


労供労組協(労働者供給事業関連労働組合協議会)

1984年2月に14組合100名で結成し、現在は19組合、組合員総数約85万人。うち労供事業就労は約6,000人。労働者派遣法が成立する過程で、職安局長の私的諮問機関から「派遣法制定と労働組合による労働者供給事業の廃止」が提言され、これに危機感を感じて結成された。


コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2020年12月 No.398 より

被爆者に国境はない MIC広島フォーラム2020

韓国人被爆者支援から日韓交流、そして核なき世界へ

今年のMIC広島フォーラム、長崎フォーラムはオンラインで行われました。現地に赴いて多くの人々と直接話すことができず寂しい思いもありながら、8月6日に行われた広島フォーラム、9日の長崎フォーラムの動画を視聴しました。

【広島フォーラム】

豊永恵三郎氏さん(韓国の原爆被害者を救援する市民の会・広島支部)のインタビューとパネルディスカッションが行われました。

9歳で入市被爆(原爆投下後に市街地に入って残留放射能に被爆)した豊永さんは高校教師をしていたときに在日韓国朝鮮人差別を知り、それ以来、在日コリアンに寄り添ってきました。71年にソウルを訪ね、初めて海外で暮らす被爆者と出会います。

「放射線の影響があって満足に働けず、すさまじい窮乏生活でした。韓国の政府からも日本の政府からもまったく援助が無かったからです。しかも、当時の韓国は軍人の政権で平和運動なんかできませんでした。」

72年に「韓国原爆被害者を救援する市民の会」広島支部を作り、在韓被爆者の被爆者健康手帳取得などの支援を始めます。1980年に始まった政府間の渡日治療事業(韓国の被爆者を日本に招いて治療する事業)がたった6年で終わった後も2014年まで民間で続けました。 「日本は明治以降植民地支配をして、たくさんの人が日本に来ましたよね。広島は「軍都廣島」ですから、韓国で生活できなかった人が仕方なしに来ました。それから日本が戦争に負け始めて、強制連行をして軍需工場で働かせた。そして被爆した。その人たちを日本の国、政府は放置したわけでしょう。日本には戦争に対する加害責任があるのだから、きちっとした補償をすべきだと思ったんだけど、日本政府が補償をしないので市民運動で少しでもできることをやっていこうとしたのです。」

朝鮮半島出身者以外にも台湾、東南アジア、アメリカ、ブラジルにも被爆者はいて、留学生や捕虜も被爆しました。そうした「在外被爆者」の総数はわかっていません。被爆者総数の約1割はいるのではないかと言われています。

資料「在外被爆者裁判一覧表」によると74年から今に至るまで43件もの裁判が闘われました。

「在外被爆者は多くの裁判で勝って、多少とも援護ができるようになりました。でもまだ補償ができてない朝鮮民主主義人民共和国の被爆者が一番困ってると思う。」

昨年、広島と大邱市の市民グループが「核兵器廃絶と平和な世界の実現をめざす大邱と広島の会」を結成しました。  「核兵器をなくす、戦争をなくすということを、日本と韓国の若い人たちにも理解してほしい。そのために交流を続けたい」と語りました。

【長崎フォーラム】

「被爆75年 創作で語り継ぐ原爆」と題して、原爆の絵を描き続ける画家の尾崎正義さんと映画監督の松村克弥さんにインタビューしました。松村監督の戦後の長崎を舞台にした新作「祈り~幻に長崎を想う刻~」は来年夏に公開予定です。

【平和アピール】

核兵器のない平和な世界を構築するために、国境を越えた市民の連帯をと呼びかける「広島アピール2020」を採択しました。

https://youtu.be/3ysHRZ8mrxA

コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2020年9月 No.395 より