ChatGPTのサービスが登場してからあっという間、ものすごいスピードで生成AIが進化していますね。身近なところで知らずに生成AIによって作成された文章、画像、動画があり、捏造されたフェイクニュースが問題になり、世界情勢に影響を与えるような脅威にもなりえることは想像に難 くないところです。そんな情報があふれている世界でこれからどう生きていくか。気になり始めた皆さんに面白い本を少しだけ紹介します。難しい数学は出てきませんので読 み物としてもSF小説を読んでいるような感覚で一気に読 めます。
「生成AIで世界はこう変わる」(今井翔太)目次
第1章 「生成AI革命」という歴史の転換点
第2章 生成AIの背後にある技術
第3章 AIによって消える仕事・残る仕事
第4章 AIが問い直す「創作」の価値
第5章 生成AIとともに歩む人類の未来 特別師弟対談(対談相手:松尾豊氏)
それで読んだ感想は置いといて、皆さんは生成AIの回答をどこまで信用しますか?ChatGPTのような生成AIは単に生成を行うAIの域を超えて、総合的に地球上で最も賢い知的存在に達しているらしいです。ChatGPTに搭載されている最新の言語モデルであるGPT-4は、すでに司法試験や医師国家試験に合格できるレベルに達しています。数学、科学、物理、歴史など大学受験の主要な科目のほとんどの問題でも人間よりも上のレベルの回答ができます。英語から日本語、アラビア語まで30近い言語を操ることができ、プログラミングについてもGoogleのコーディングテストをパスできるレベルです、とのことです。
生成AIの技術は機械学習やディープラーニングの技術 が土台になっていて、公開されている膨大な情報(どこまでを「公開情報」と呼ぶのか解釈が不明ですが)を読み込んで学習して成り立っています。教師あり学習なら答えを人間が与えてチューニングするし、独自に特徴を抽出して回答を生成することもできます。おそらく人間がこれまで積み上げてきた知識はすべて取り込まれて、正しい回答もどんどんリライトされていくことでしょう。
では、公開されている情報はどこまで取り込めるのでし ょうか。例えば世界報道自由度ランキングが上位の国と下位の国では生成AIの結果は同じなるのでしょうか。その国の立場によって回答にバイアスを掛けて都合が悪い回答は伏せるかもしれません。例えば世界史は、関係する国同士の歴史的背景によって結果も違ってくるのではないでしょうか。それともAIが自らバイアスを察知して正しい 回答を導いてくれるのでしょうか。サービスを提供する側の立場によって回答を変えてしまうこともあり得る(可能性があること)と自分は考えています。ちょっと斜に構えた考え方ですが、情報統制を行っている国では、生成される結果もコントロールすることができてしまうのではないか、ということです。そうしたことを踏まえて、この生成AIの回答に向き合って行きたいと思っています。
最後になりますが、皆さんは気づきましたか?この文章 は人間がこしらえた文章でしょうか。それとも生成AIによって組み立てられた文章でしょうか。
(こんな稚拙な文章を生成AIが作成できるとは思えませんね・・)
■ コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2024年2月 No.436 より