プログラムを書くときにはほとんどの人が等幅フォントを使っていると思います。Windows の場合は MS ゴシックにすることが多いわけですが、その半角英数字は Courierや Monaco に比べると見劣りします。MS ゴシックは印刷向けの製品を転用したものです。Courier のようにコーディングやコンソールでの利用を想定して作られたものと、画面上での視認性や美しさで差が出てしまうのは仕方がありません。
英数字だけのフォントはフリーのものがたくさんあります。Courier もパブリック・ドメインです。しかしながら字数の多い漢字を含むフォントの開発には費用がかかり、従来は商用のものを使うしかありませんでした。MS ゴシックなどの Windows や Office についているフォントもマイクロソフトがリコーなどの日本の企業から買ったもので、利用方法に制限があります。
また、コンソール向けのような特別な用途のフォントもなかなか出てきません。 “MS UI ゴシック” と “Meiryo UI” が画面専用ですけれど、これらは等幅ではありません。2007 年に IPA フォントが出て、ようやくフリーで品質の高いものが利用できるようになりました。その後、Google の Noto や IBM の Plex などが出ています。それらのフォントは改変も自由なので、英数字を別のものに差し替えるなどした派生フォントが作られるようになりました。
以下、最近私が使ってみてよかったものです。 ( ) 内は半角英数字と全角文字の幅の比率です。
PlemolJP (1:2)
PlemolJP35 (3:5)
源ノ角ゴシック Code JP (2:3)
「漢字」の左は全角スペースです。PlemolJP は全角スペースの表示の有無を選択できます。日本語を含む矩形選択を多用する場合は半角が全角の 1/2 のものを選んでください。そうでなければ英数字の幅が広い方が読みやすいです。
■ コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2022年7月 No.417 より