著:藤野裕子
中央公論新社
書名で検索すると、目次、内容、著者略歴が見つかるので、そちらも参照して頂きたい。
はじめに では、
~デモをテロと呼ぶだけでデモの正当性を容易に剝奪し、弾圧を正当化できてしまう~ とある。
本文では、
百姓一揆の作法
~刀狩り~そもそも~鉄砲などを、鳥獣の駆除や~
新政府反対一揆
~農作物の市場価格の変動~小学校の教育費負担~
秩父事件、
~自由民権運動か、負債農民騒擾か~
日比谷焼き討ち事件
~日露講和反対運動~新聞・雑誌・メディアの役割~
関東大震災時の虐殺
~自警団だけが裁かれる~
などに触れている。
おわりに では、
((執筆当時)緊急事態宣言の中で)
~事態が落ち着き、態勢が整ってから刊行するのが研究者として正しいあり方ではないか。~
と書かれている。
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この本を読み、秋津洲の現住民として思う。デモの参加前に職務質問をされる。街頭演説への横断幕はダメ。野党へのヤジは問題なし。お上に逆らう判決を出した裁判官は再就職で冷遇される、という話を聞いたことがある。終身制なら再就職の心配は無い、けれど…。三権分立、民主主義、といっても所により違いがあるようだ。負けるとわかっていた戦争を始めてしまった、いつか来た道をたどって、どこへ行くのか。不都合な情報を軽視した意思決定過程は同じに見える。勝算がなくても、また自分から始めそう。