旅の本

夏が来れば、近場のごみごみしたところではなく、遠くに出かけてリフレッシュしたいものです。

しかし、仕事が忙しくなり、なかなか出かけることもままならないため、旅行へ出かけた気分になれるよう、旅行記を読むことがあります。

今回は、個人的に趣味でよく読み返す旅行記を紹介します。

① 『時刻表2万キロ』(宮脇俊三)

時刻表に書かれている国鉄の全路線を完乗するまでを描いた鉄道旅行の本です。約40年前の本ですが、その当時の雰囲気をよく表しており、国鉄のテーマソングであった「いい日旅立ち」が聞こえてきそうです。ローカル線の各駅停車に乗って、青春18きっぷで有名な青海川駅や下灘駅へ行ってみたくなります。

② 『辺境・近境』(村上春樹)

村上春樹のメキシコやノモンハン、香川県などを旅行した時のエッセーです。

中でも「讃岐・超ディープうどん紀行」は読んでもらいたい文章の1つです。香川県民のうどんに対する愛情を面白おかしく?書いてあり、うどんののど越しや噛み応えなどを思い出しながら、讃岐うどんが食べたくなります。

地元ライターが書いた『恐るべき讃岐うどん』を合わせて読めば、讃岐うどんの奥深さがさらに分かるのではないでしょうか。

③ 『チベット旅行記』(河口慧海)

日本人として初めて、明治時代に鎖国状態のチベットへ単独で入国し、チベット仏教を学んだ僧侶の旅行記です。

ヒマラヤ越えの話とか、追手に追われてチベットを脱出する話などは、インディージョーンズのようであり、旅行記ではなく、むしろ冒険譚というべきものでしょうか。

映画の「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の50年も前にチベットへ単独で行ったとは、何ともすごすぎる日本人がいたものです。

■ コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2017年8月 No.358 より

PUC分会不当労働行為審問傍聴

先日は電産労傘下のPUC分会(全労連全国一般PUC分会)の都労委審問を傍聴支援して参りました。

論点は色々ありましたが、主な論点は労働協約についてです。一般的には、就労時契約よりも就業規則が優先され、就業規則よりも労働協約(労働条件・団交・組合活動等労使関係のルールについて労働組合と経営との間で取り決め、書面にして、署名もしくは記名捺印した約束事)、労働協約よりも労働関係法令、という順番で優先されるのですが(ですから、就労時締結した契約が労基法や労調法に逸脱していれば、労基法や労調法が優先されるのです)、問題はその有効期間。これは専従の方から教わる迄知らなかったのですが、労組法第15条には「労働協約には、三年をこえる有効期間の定をすることができない。」

15条第2項には「三年をこえる有効期間の定をした労働協約は、三年の有効期間の定をした労働協約とみなす。」、更に15条第3項には「有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によって相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であって、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。 」とあるのです。これは盲点。それでPUCの経営側は有効期間の終了が近付いて来た頃を見計らって、労働協約の破棄を宣告して来たわけです。これは正直キツイ…法律の定める所なのですから。

分会の意向は判りませんが、私でしたら「法律がそうなっているから…」と泣き寝入りするのは嫌です。傍聴をしつつ「オレだったらこうしたいな…(尤も協約等にどの様に書かれているのか判りませんので可能だったらという前提ですが…)」という思いが頭の中をよぎったりしました。

他に感想としては、喋りはしなかったのですが、経営側出席者で、人相の悪いおっさん(私もおっさんですけど)がおりました。審問終了後の”一言タイム”で分会の方が「(その人相の悪いおっさんが)裏で糸を引いている」と仰ってましたが、其奴を何とか出来ないか? 無いアタマで色々小細工を巡らしてみたりもしちゃいました。

次回は調査なので大勢は入れないでしょうから、また審問になりましたら是非とも傍聴したいと思います。

■ コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2017年7月 No.357より

MIC 2017年春闘決起集会

2月24日(金)文京区民センターでMIC(マスコミ文化情報労組会議)の2017年春闘決起集会がありました。参加者は130人で、基調講演は岩波新書「過労自殺」の著者、川人博弁護士の「長時間労働を無くすための労働組合への提言」です。一昨年自殺者を出した電通についてのことを中心にお話ししていただきました。

MICの加盟組織は、映演共闘、全印総連、新聞労連、広告労協、民放労連、音楽ユニオン、出版労連、電算労、映演労連です。長時間で不規則な働き方をする業種が集まっています。その中の広告労協に電通の労働組合も加盟しています。

私は、ソフトウェアの仕事に就く前に広告・印刷関連の仕事を少しだけやっていて、広告労協の組合がある会社の人とも仕事や活動でお会いしたことがあります。外回りの営業で靴を履き潰したというようなお話もお聞きしました。広告は、情報や印刷よりも景気の影響が大きい不安定な業種です。

打ち合わせで電通の人と同席したこともあります。聞いたこともない会社(イベント企画は実質私と上司の二人だけ)がその地方で一番大きな展示会場の設備のことを知っているので不思議そうにされていたのを覚えています。そのときの品の良い装いの紳士達のいたところがあんな会社だったとは想像はできませんでした。とはいえ、寝る暇もないような仕事は私もやってましたけど。

亡くなられた高橋まつりさんがいたのは、電通の中でもうまく行っていないとされているネット広告の部門です。その部門は、架空請求の不祥事も起こしています。ネット広告では、表示、クリック、コンバージョンなどの実績をベースに請求することが多いです。ですから架空請求のニュースを見たときには「人間がソロバン弾いてたわけじゃないよな?」と驚いたものです。電通などの既存の広告代理店の仕事のやり方とは合わないのでしょう。

時代に合わないだけでなく、人間に合わない仕事はやめましょう。たとえ仕事の好きな本人がそれでよいと思っていても、職場や私生活で周りの人にしわ寄せが及んでいるかもしれないと、川人博弁護士も言われていました。

■ コンピュータ・ユニオン ソフトウェアセクション機関紙 ACCSESS 2017年3月 No.353より